【ここは世界ノ果ての恋-The cat of the universe which is in a castle-】


#S−1
        鳥が空を飛んでいる
           太陽の光りにかぶりその姿は消える。

           「ラーラーララー」
           リゼッタの歌声が聞こえる
           城内、リゼッタの部屋。 リゼッタの横顔が見える。

    リゼッタ  「ラーララー」
           
           背後からカツカツと足音 歌が止まる。
   
    アデリア  「またコンピューターですか?
           …姫。」
  
           振り返るリゼッタ。
           体の向こうにはコンピュータがある。
 
    リゼッタ  「アデリア…、これは余の趣味じゃ、誰にもジャマはさせぬ」

    アデリア  「まっとうな口振りで言いますが、裸の男が絡み合っている画像がそんなに好きですか
           リゼッタ」

           モニタにはいくつもホモ画像のウィンドウが開かれている。
           むっとした顔を見せるリゼッタ

    リゼッタ  「姫と呼ばんか」
    アデリア  「では姫」
    リゼッタ  「好きにきまっておる」

           アデリア、リゼッタの体を自分の胸元にぐいと引き寄せながら、

    アデリア  「それは私への告白と受け取ってよろしいでしょうか?」
    リゼッタ  「なっ!?」
           「何を聞いておったのだ!余は画像収集が好きと言ったのだ!! はなれんか!」
           
           驚き、慌てながら、
           顔を真っ赤にしてアデリアを引き離すリゼッタ

    リゼッタ  「とは言え、こう毎日同じ画像ばかり眺めているのもあきるのう・・・はぁ・・」

    アデリア  「ふむ、わかりました」

    リゼッタ  「うん?」

           顔を上げ、アデリアの方を見るリゼッタ。 
           すると、アデリアが急にガバッとマントを大袈裟に脱ぐ

    アデリア  「心おきなく私の体を撮影してくださいッッ!!!」
           上半身裸になるアデリア
    
    リゼッタ  「おおおおおおおお!!」
           男の裸に反応したリゼッタ、体を勢いよく乗り出してくる

    
    リゼッタ  「おおお、アデリアハアハア! 良いぞアデリアハアハア!そうだ、もっと!
           そう、もっと脱いで! さあ!さあああああ!!」
           写真を撮りまくるリゼッタ
    アデリア  「ああ見てください!! 私の体をもっと、私をもっと さあリゼッタ!
           あああ見てください!ああああ!!」
           くねくねと様々なポーズを決めるアデリア。

    リゼッタ   「おおおおっ!!」
    アデリア  「ああああああ!」
           昇天する2人。

           画面暗転
  
           額にナイフが刺さっていて、血がだらだらーっと流れてるアデリア
    アデリア  「けっこう喜んでたくせにこの仕打ちですか」
    リゼッタ  「ええい、うるさいわこの露出狂が!!」

    アデリア  「・・・・それでは今日も私は管理人の仕事に戻りますので」
           真剣な顔で言うアデリア。

    リゼッタ  「好きにせい」
           アデリアと目を合わせようとせず、
           憮然とした態度で告げるリゼッタ。
           扉を閉じ、去っていくアデリア
           
           屋外 城の全景が見える。
           城の周りは全て海。
  


           タイトル 「−ここは世界の果ての恋ー」



#S−1.5

           リゼッタの部屋。浴室。
           泡のお風呂につかって幸せそうな顔のリゼッタ。

    リゼッタ  「まったく…あいかわらず辛気臭い顔をするヤツじゃ…」
           ぷふーと泡を吹いて浴室内に飛ばす。
    リゼッタ  「んにゃー…気持ちいいー…」
           ぷかーっと泡が飛びぱちんと割れる。

    リゼッタ  「そうじゃ!」

           ザバっとお湯から立ちあがるリゼッタ。



#S−2      廊下を歩くリゼッタ
           廊下には猫のフリデリカも居る。 
    
    リゼッタ  「フリデリカ、そなた今ヒマか?」
           しゃがみ込み、フリデリカの顔を覗きこむリゼッタ
 
    フリデリカ 「ニャー」

    リゼッタ  「そうか、ではこれを見るが良いフリデリカ」
           「新調した服じゃ、似合うか?」
           くるん、とその場で回転してフリデリカに服を見せるリゼッタ。

    フリデリカ 「ニャー」
           にっこり笑っている(かのような)猫のフリデリカ
    リゼッタ  「おお、そうか!さすがはフリデリカじゃ良いセンスをしておるのう」

           楽しそうなリゼッタとフリデリカの会話が続く一方、映像はアデリアを映す。
           
           吹き抜けのように高い天井の部屋、コンピューターを触っているアデリア
           神妙な顔。 
           コンピューターのウインドウには ―生命反応ゼロ― の文字

    リゼッタ  「まったくあのデクノボウときたら、余を見ても何も言わん!
           ・・・ その点おまえは出来た猫じゃ」
           猫をかかえ、抱き寄せて笑うリゼッタ
    フリデリカ 「ニャー」



#S−3       
           黙々と食事をとっているリゼッタとアデリア
           お互い、相手の事を見ようともしない。

    アデリア  「リゼッタ」
           やがて、アデリアが話しかけるが、返事をしないリゼッタ。かまわず続けるアデリア。

    アデリア  「本日の調査報告ですが、今日も反応はゼロです。 
            いかなる生命も観測されませんでした。
            ……我々二人とフリデリカを除いては・・」

           豪快に肉をほおばるリゼッタ
    リゼッタ  「あそう」

    アデリア  「テーブルマナーがなっていませんね、姫」
           そんな事をいいつつ、自分はなぜか裸のアデリア

    リゼッタ  「おまえに言われとうないわ!」
           リゼッタ、肉を振り回す
    リゼッタ  「いつもすぐに脱ぎおって、この露出狂が!!
           ・・・・・まったくお前ときたら良い体をしておる・・・。あとで写真を撮らせるがよい」
           照れながらカメラを構えているリゼッタ。

    アデリア  「言ってることがムチャクチャです、姫」
           「しかし。喜んで!!」
           勢い良く立ち上がり、アデリアの全裸が…。


          
           画面暗転・アイキャッチ



#S−4        夜景・空

             「ニャー」
           フリデリカの声が響き渡る気がする。

    リゼッタ    「?」 
            「フリデリカ?
            …どこに行ったんじゃ?返事をせいフリデリカ」
            城の様々な場所がカットイン

    リゼッタ   「早く出てくるがよい」
            リゼッタ、不安そうな顔をしている
    リゼッタ   「フリデリカ?」
            
            画面暗転


#S−5
           室内 ソファーに横になっているリゼッタ

    リゼッタ   「・・・・・」

    アデリア  「地球上からフリデリカの生命反応が消えました。
           おそらく死んだのでしょう」
         
           気だるそうに顔だけで振り向くリゼッタ、
           しかしすぐに天井を仰ぐ様に顔を背ける。

    リゼッタ   「・・・・・もうよい。余を一人にするがよい」

    アデリア  「・・・姫」
    リゼッタ   「姫と呼ぶな」
          

            画面暗転


#S−6        
            過去。画面はモノクロに。

    リゼッタ   「もう、管理人はやめる」

    アデリア   「・・・・っ・・どうして・・?」
            驚いているアデリア
            ソファーに座っているリゼッタ

    リゼッタ   「無駄だよ、何も生まれないわ」

            悲哀をこめて話すリゼッタ
            無表情のアデリア

    リゼッタ   「何年続けたって・・・」

    アデリア   「そんなの分かりませんよ。まだ、観測を始めて120年です」

            ソファーから立ち上がるリゼッタ
    リゼッタ   「くどい!やめると決めたの!」
    アデリア   「やめてどうするんです?」
    リゼッタ   「・・・・・・姫」
    アデリア   「え?」
    リゼッタ   「今日から姫になる!!」
            うれしそうに一回りするリゼッタ


#S−7
            ベッドの上、目を覚ます。泣き顔のリゼッタ。
            呆然とした顔で起き上がり涙を拭うが、自分が泣いていた事に気付いて赤くなる
            ベットから起き上がるリゼッタ、背後でカーテンが揺れている


#S−8
           食堂・テーブル挟んで背中を向け合って立って居るアデリアとリゼッタ。
           2人はテーブルに体重をかけるように、腰をテーブルのかどに乗せている。

   アデリア   「リゼッタ・・・」
   リゼッタ    「アデリア・・・」

           テーブルから離れ、立ちあがる2人。
           お互いの方へと歩き始める。

   アデリア   「貴女はもっと短いスカートを穿くべきだ」
   リゼッタ   「おまえはもっと肌を隠すべきだな」
   アデリア   「私が貴女の素肌を求めて貴女がそれに応える」
   リゼッタ   「いつ応えたか言ってみろ」
   アデリア   「でも、それって繋がりだと思うんです」
   リゼッタ   「つながり?」
   アデリア   「そう、曲がり角でぶつかっちゃうような」

           テーブル中央で向かい合い、立ち止まる2人。

   リゼッタ   「そんなのは只の偶然だ」
   アデリア   「誰かが居てくれるという希望にはなる」
   リゼッタ   「でも、一つにはなれない」

   アデリア   「それって1+1って事?」

           笑顔のアデリア。
           恥ずかしそうな顔のリゼッタ

   リゼッタ   「・・・・・好き。」

           マントを翻すアデリア

   アデリア   「実は、フリデリカは私が殺したんです」
   リゼッタ   「ウソツキ」
   アデリア   「誰が?」
   リゼッタ   「そんな事する理由ないもん」

   アデリア   「貴女と二人きりになりたかったので」
           そしてまた、何時の間にか裸になっているアデリア。キランと笑いながら言う。

   リゼッタ   「失せろ変態!!」
           バカっとアデリアを殴るリゼッタ。

           
           画面暗転


#S−9 
           水没した街が見える。そして2人のお城がある。
           鳥が空を飛んでいる。舞い落ちる羽は月明かりに光り、まるで雪の様。

           城内のダンスホール
           リゼッタが控えめに手を差し出すと、アデリアがそっと手をとる。
           照れながらも控えめに笑うリゼッタ
           
           ダンスを始める二人。二人だけのダンスパーティーが始まる
           リゼッタ、心の奥から嬉しそうに微笑む
          
           
          ENDロール
 

#S−10 
    
           2人の声が聞こえる。

    アデリア  「・・・なんか・・・ステキな言葉が頭をよぎるんですが・・・」
    リゼッタ  「・・・言うな、言ったらなぐるぞ」
    アデリア  「我々ってアダムとイ・・・・」
    リゼッタ  「えっち!!アデリアのえっちー!」

           城の外観。
           傍らには、草むらにたたずむフリデリカ
           隣に一匹のメス猫がやってくる
    メス猫   「ニャー」
           仲良くじゃれる二匹

           リゼッタ。君は知っているのだろうか。僕は君が望むなら管理人にもなれるんだ。
           君が望むなら王子様にだって、魔法使いにだってなってみせる。
           本当はいつもそばにあったのに君だけが気付かない。
           君はお姫様だから。世界で1人誰より気高く寂しくて悲しくて愛しい。
           出会ったときから幸せで、きっと死ぬまで幸せ。
           ありがとうごめんね。

           君には希望を。この星で、また出会う希望を。

 
           THE END